中国のクリーンエア・タスクフォース(CATF)代表責任者、S.ミン・ソン博士は、2015年スティービー・アジア・パシフィック賞のエグゼクティブオブザイヤー(非営利/政府団体経営者部門)でブロンズに輝きました。スティービー・アジア・パシフィック賞はアジア太平洋地域22か国のすべての企業・団体が対象で、2016年度分は2015年10月に応募が開始されます。詳しい情報はこちらをご覧ください。
クリーンエア・タスクフォース(CATF)は、米国マサチューセッツ州ボストンを拠点とする非営利環境団体で、中国と欧米の企業間協力が、石炭系低炭素エネルギー生成の事業化を促進するために重要であると考えます。そのため、CATFは革新的なエネルギー関連企業と調査施設とののジョイントベンチャーを円滑にするため中国やその他アジア地域で活動しています。
中国のCATFはS.ミン・ソン博士が代表で、北京を拠点にアジア太平洋も統括しています。中国ではCATFとソン氏はパートナーシップの進展させることと、気候変動とエネルギーの安全問題に取り組むために重要な低炭素炭素技術分野での現政権の元に蓄積された情報の共有に注力しています。
共に働く
中国企業は単なる欧米の技術輸入を越えて、技術を自分たちのニーズにあわせ、新しい労働者を訓練する方法を学ぶために、アメリカ企業と共に活動しています。「アメリカは革新性では優れているが、中国はどの国よりも速く安くプロジェクトを実行できる。もしアメリカと中国が共に活動できるようにすれば、あらゆる人々が利益を得て、多くのお金を生み出すこともできるだろう」とソン氏は語っています。
ソン氏は自身の仕事の重要性を非常によくわかっており、次のように述べています。「CATFには、アメリカとアジアの企業連携を通じ、地球の気候変動問題に取り組み環境を保護するという独自の役割がある」
気候変動による最悪なシナリオを回避
石炭への依存は、若干の重要なチャンスに加えて、多くの問題を生み出しています。北米、アジア、ヨーロッパ、豪州のエネルギー関連企業には、石炭利用に関して多くの経験があり専門家も多数います。そして同様に、炭素に縛られた世界経済の中で、よりクリーンな炭素の役割を守る技術を開発できるよう意欲的に取り組んでいます。
企業連携の可能性としては、以下のものがあります。
●最先端のクリーンエネルギー利用技術の開発費用の削減
●クリーンエネルギーシステムの開発期間の短縮
●地球上の二酸化炭素(CO2)排出量を軽減
欧米企業とアジア企業の協力がなければ、クリーンエネルギーへの変換で受け取る環境と経済の利益は小さく実現は遅くなってしまいます。両地域による投資は世界中の技術費用を削減し、気候変動による最悪の結果を防ぐために、炭素回収利用・貯留のような低炭素技術(CCUS)が早晩広まっていく可能性が増えるでしょう。
中国における企業間協力の発展
アメリカと中国で、世界の約40%の二酸化炭素を排出しています。両国は化石燃料に大いに依存しており、同じ試練に直面しています。それは、経済成長や国家の安全保障を傷つけることなく、いかにCO2排出量を削減するかということです。したがって、気候変動の解決策を発展させる際には、アメリカと中国はライバルでなく自然なパートナーであるとCATFは考えています。
ソン博士は、CATFが低酸素または炭素ゼロを早期に実現させるため、アメリカと中国の技術企業間の合弁企業化が円滑に行えるよう援助してきました。(このプロジェクトの詳細はCATFのWEBサイトをご覧ください)
ソン博士は中国のエネルギー産業の指導者たちと、エネルギー計画を立案するために活動してきました。彼は中国大慶市の経済シニア・アドバイザーを勤め、多くの国際会議で主要な演説者として活動してきました。
中国の巨大な国有企業はこれらのプロジェクトを牽引しており、その多くが主要な国際的パートナーに影響を及ぼしています。「もしCCUSが成功すれば、アメリカと中国はクリーンコールテクノンロジーについての更なる技術的情報を共有すべきである」とソン氏は語っています。
よりクリーンなエネルギーへ
中国のよりクリーンなエネルギーへの渇望と12回目の5カ年計画に打ち立てられた目標は、中国で活動している主要な企業に、泥板岩層の天然ガス調査やその生産の急速な規模拡大の努力を強化するよう圧力をかけています。しかし、性急な進行は環境悪化を招く危険があり、新聞紙上に掲載されているように人間の健康に有害な影響を及ぼしたりするかもしれません。(例えば、2014年4月11日発行のニューヨークタイムズの記事「中国はシェールガスの促進で大きな危険を引き受けている」)
CATFの展望としては、近年のシェールガス開発者の経験から学ぶことによって、アメリカで実証されたより進歩的で、よりクリーンで、より安全な事例を、中国は越えることができると考えています。
太陽熱や原子力などの再生可能エネルギーへの移行
エネルギー浄化のための「上記すべて」のアプローチにおいて、CATFは中国の産業が原子力や太陽熱の将来性を発展させるのを援助するためにも活動してきました。例えば次の通りです。
- 原子力エネルギー開発におけるアメリカと中国との協力という面において、CATFは中国の原子力業者がデューク・エナジーやサザン・カンパニーによって運営されているアメリカ工場の訓練を受けられるよう援助しています。訓練生は3ヶ月から6ヶ月間のプログラムでアメリカの原子力業者に付き添います。
- デューク・エナジーやファネン・グループ、その他企業との活動のなかで、CATFは中国を含めた世界市場のための進歩した小型原子炉の技術および経済的実行可能性について、評価・検証しています。
- CATFは最近、中国市場発展の可能性のために太陽熱の技術カンファレンスを中国で開催しました。そしてファネン・グループとネバダ州の主要な太陽熱設備業者との会合を円滑に行いました。
- この1年、CATFはマサチューセッツ州に拠点を置くエネルギー貯留会社ゼネラル・コンプレッションが、中国で商業的な実演設備を開発するために、ファネンのセリとパートナーになるのを援助しました。
S.ミン・ソン博士について
S.ミン・ソン博士は、北京で開催された2008年ACEII(アジア・クリーンエネルギー革命イニシアチブ)円卓会議の直後に、アジア太平洋部門の代表責任者としてクリーンエア・タスクフォースに参加しました。アメリカ国籍を持つソン博士は、上海で生まれ、3つの主要な中国語方言を流暢に話します。彼は中国のエネルギー企業と強い繋がりを持ち、公的機関とも関係があり、世界的な炭素ガス化や巨大な化学エネルギープロジェクト開発のコミュニティと深いつながりを持っています。ソン博士は目的を達成できるように、ACEIIの能力を無限大に拡張していきました。
ソン博士のエネルギーやIT産業における専門的な経験は40年以上にも及びます。シェルでの25年を皮切りにアスペン・テック、BASF、モンサント、アメリカ合衆国エネルギー省、そしてシンアオ・グループ(中国のENNグループ部門)を含む、世界を先導する一握りの企業や施設で活躍してきました。炭素やオイル、化学物質やそれらに関わる分野における、マネジメント、エンジニアリング、オペレーションそしてマーケティングの経験もあります。
ソン博士はコロラド鉱山学校で、化学および石油精製工学の理学士と理学修士を取得しました。彼の博士号の研究は、フロリダ大学でアスファルト流動学についてでした。
クリーンエア・タスクフォースについて
クリーンエア・タスクフォースはアメリカと中国に事務所を持つ非営利環境団体です。CATFは、研究と分析、公的な弁護的なリーダーシップと民間部門との協力を通して低いカーボン・エネルギーと他の気候保護テクノロジーの急速な世界的な開発と配備に触媒作用を及ぼすことによって気候変動で最悪の影響に対する予防手段を助けることに取り組みます。
研究と分析、国民目線のリーダーシップと民間部門との協力を通し、急速なグローバル化と低炭素エネルギーなどの気候保護テクノロジーの配備を活用し、気候変動による最悪の影響を防ぐ一助となるよう取り組んでいます。より詳しい情報は、www.catf.usをご覧ください。