大韓民国・ソウルに位置する韓国奨学財団は2013年度国際ビジネス大賞の2つの部門で金賞を受賞しています。国家奨学金広報キャンペーンで「今年のマーケティングキャンペーン賞」を、マーケティング部門では「今年のNPO賞」を受賞しました。また、「クリエイティブ&コミュニケーションメディア」部門では「ベストツイッターフィード」に選ばれました。
2015国際ビジネス大賞は、来年の初めにエントリーを受け付けます。2015アジア太平洋スティービーアワーズのエントリーは今年末を予定しております。こちらでより詳しい情報をどうぞ。
韓国奨学財団のクァク・ビョンソン理事長が、スティービーアワーズ受賞が組織に及ぼした影響について語ります。
「韓国奨学財団が国際ビジネス大賞を受賞したのは、去年までで3年連続になりました。たいへん光栄に思っています。これからも韓国の未来を担う人材を育て上げるべく頑張ります。励ましと応援、ありがとうございます」
システム改革
クァク理事長は、最近発生した世越号沈没事件で、韓国の人々がまだ酷いショック状態に陥っているといいます。「この事件で、まだ花咲かせることも出来なかった幼い高校生達が、たくさん命を落としました。韓国の未来を担う人材を育て上げる機関の長として、そして国民の一人として、無念極まりないことです。しかし、この事件をきっかけに、政府と公共機関では本格的な社会システム改革が始まっています。マスコミでも毎日このことを報道していますしね。われわれ財団もこれに積極的に取り組みたいと思います。国民の信頼を元に、顧客に感動してもらえる機関に生まれ変わるため、一生懸命尽くします。この災難で、われわれが顧客の信頼を元に、韓国の若者たちのためのよりよい未来のために何が必要か、考え直すことが出来ました。
韓国の人材のための開放
クァク理事長は、国際ビジネス大賞が、学生達の卒業後海外就職活動支援のために、どのように役立てるか語りました。
「韓国奨学財団は世界最高の人材育成奨学金支援機関を目標としています。国際ビジネス大賞を受賞したことで、世界各地の機関に財団のビジョンと目標が伝わり、共有できるといいですね。われわれ財団が奨学金支援機関の見本となることで、他の国でも似た様な制度が拡散することも期待できます。世界的な人材を育て上げるためのインターナショナルネットワーク構築に最善を尽くします」
「また、国内の優秀な人材が世界中を股にかけ、力量を発揮できるようにサポートしたいと思います。特にIBA受賞企業や、国外の有力な会社に入社し、国際舞台で活躍できるよう、機会を模索する予定です。このためにはいろんな手段が必要ですが、特に韓国の人材に興味のある海外機関の参加を、心よりお待ちいたしております」
未来のための建設
クァク理事長は未来への希望を語りました。「この間、韓国奨学財団から奨学金や大学ローンのサポートを受けた学生たちから、エッセイを募集しましたが、これがとても感動的なイベントでした。たくさんの学生たちは、国からお金をもらったり、安く貸してもらったりして勉強できるということにとても感謝していました。そして、個人の夢を叶えるためにだけではなく、社会に何らかの形でこの恩をお返ししたい、そう語ってくれました。たいへん感銘を受けましたね」
「2014年に約120万人の国家奨学生が、総計3.7兆ウォンのサポートを受けています。しかしこのエッセイ募集イベントで、数字だけでは分かることのできない、学生達それぞれの夢に向かう情熱を感じ取ることが出来ました」とクァク理事長は話しました。
彼の結論はこうです。「奨学生たちは、ただただ国からお金をもらうだけの消極的な存在ではありません。彼らが社会の構成員として責任感を持ち、より活躍できる場を作ってあげることがわれわれ財団の仕事です。国から助けてもらった若者が、自分から社会にその恩を返したいと思うこと。その還元により、更にたくさんの学生たちを助けられること、この正のサイクルを作り出すことが大事です」
「奨学の根本は『分け合い』です。韓国が先進社会に生まれ変わるためには、自発的な分け合いの文化が育たなければ話になりません。財団の仕事は単純な公共福祉業務以上の意味を持ちます。国の未来を作る仕事だという誇りと責任感を持ち、前途有望な若者たちの夢を応援し、サポートしていきたいと思います」
クァク・ビョンソン理事長は
クァク・ビョンソン理事長は去年の5月に韓国奨学財団長として赴任して以来、大学生たちの学資負担を最低限に抑えるべく、国家奨学金を多大に拡充し、大学ローンの安定的な運営と共に、既存の借り手の貸し出し利息を大幅に引き下げる「転換ローン」制度を新たに設けるなど、学資心配のない大学生活を作り出すために尽くしています。この用に本来の業務に努める中で社会貢献でも活躍し、2014年度「幸せプラス社会貢献大賞」を受賞し、個人インセンティブの50%を奨学金として寄付するなど、社会構成員としての義務も非常に積極的に遂行していると言えます。
クァク理事長は韓国教育開発院(KEDI)長・大統領諮問教育改革委員会委員・韓国ユネスコ教育文化委員・大統領諮問教育人的資源政策委員・京仁女子大総長などに勤めてきました。また、国民褒章(86年)・国民勲章木蓮章(03年)・ピーターブライス教育賞(12年、パシフィックサークルコンソシウム)などを受賞しました。主な著書としては、『教育プロセス』『民主市民教育』『21世紀東アジア協力』の他、多数があります。
クァク理事長はソウル大学校師範大学教育学科を卒業し、同大学院で教育学修士を修得しました。以後アメリカのマークェット大学校(Marquette University)で教育学を専攻し、哲学博士(ドクター)の学位を修得しています。
韓国奨学財団は
韓国奨学財団は政府財源・市場債権・企業や個人からの寄付財源を運用し、この国の人材を育て上げることを目標とする、教育部傘下の準政府機関です。低所得家庭の学生のための国家奨学金・成績優秀奨学金・就職連携奨学金事業と共に、低金利大学ローン事業も進めています。2009年5月に設立されて依頼、およそ6兆ウォンの奨学金と20兆ウォンを越す大学ローンをサポートしてきています。財団設立以前には最高で7.8%にも上っていた大学ローンの金利を2.9%にまで押さえ、学生達の負担を軽減させています。また、大学生の住居問題を改善すべく、宿舎建設事業と「正のサイクル・分け合い(ナヌム)ボランティア」事業も運営しています。現在およそ400名余りの社会指導部構成員が「ナヌムジギ(分け合いヘルパー)」としてボランティア活動をしており、財団からサポートを受けた3万人の大学生達は、低所得・多文化・脱北者家庭などの後輩学生のための知識メントリングに参加しています。