”安逸”という単語は、ルネ・トッコ(Renee Tocco)の辞書に存在しない。
いつもエネルギッシュなオーストリア人のトッコ(Tocco)は自分の才能を生かして、人々がより健康に暮らせるように助力したり、様々な慈善団体への支援を通して、低所得層の子供たちの援助から熱帯雨林の保護まで、世の中を変化させようと絶え間なく努力している人である。
彼女の事業家としての気質は、いかなる状況においても彼女を安住させることはない。オーストリア最大の通信事業者であるテルストラ(Telstra)で営業や法人顧客を担当していた彼女は、2014年にLoaneziという金融ブローカー事業を始める。その過程で彼女は一般的に大きな革新が必要だとは考えられていない産業に、新しいアプローチを仕掛けることになる。
彼女の会社は創業から3年でオーストラリアの金融産業で最も急成長している会社の一つになった。彼女は彼女が成し遂げたベンチャー事業の成功について、“Loaneziは私の人生で今までに成したものの中で、最も大きな業績だと言えます”と誇らしげに語った。
彼女は以前から大きな夢を持っていた。オーストラリア東海岸の都市であるゴールドコーストに暮らす彼女は、“私はいつも、いつの日にか自分がすごい会社を創るか、革命的な発明によって産業全体を揺るがすことになると思ってきた”と言った。
Loaneziは彼女のテルストラ(Telstra)勤務によって得た産業知識と企業精神の結合体といえる。トッコ(Tocco)はテルストラで情報通信技術が企業に与える影響、特に小規模企業にどれほど大きな影響を与えるかということを知った。顧客たちにとって、新しい設備が事業の成長と失敗を分ける重要な要素であった。
トッコは不動産の運営を始めた彼女の初顧客を、今も忘れることができない。トッコは彼女が住んでいる地域の日刊紙であるThe Gold Coast Bulletinとのインタビューで、“もしも新しい電話システムとプリンターがなかったら、この小さな新規不動産会社はまともに業務を行えなかったはずです”と言っている。
3年後、彼女の会社はものすごい勢いで成長を重ねた。2016年初め、Loaneziは創業当時に借り入れていたすべての負債を返済し、100%自己資本での運営が可能になった。2016-2017会計年度には、当初に立てていた目標を達成し、450件の商業融資を仲介した。
Loaneziと他のライバル企業の違いは何か?トッコは成功要因のうちの1つが、金融ブローカー分野で長い間使われていなかった最新技術の導入にあると言う。
Loaneziは大規模供給業者を提供し、金融支援を受けるのが難しい起業家などの顧客の様々な要求事項に応えられるサービスも提供している。
事業の大きな成功にもかかわらず、トッコは満足できずにいる。“私の根本的な目標は今後3年以内にオーストラリアで最大の商業資産金融仲介業者になることです。現在私が重点を置いている、とてつもなく大きい目標です。”
今年の8月にトッコと彼女のチームは、第14回国際・ビジネス賞の“ビジネスサービス - 今年のスタートアップ企業”部門でスティービー銀賞を受賞した。
受賞後トッコは“この受賞はブランドを対外的に知らしめ、競争の中で生き残っていくのに、大きな力となります”と述べた。“スティービー銀賞のマークを我々のウェブサイトに追加した日は、本当に嬉しかったです。この受賞が私個人のプロフィールとLoaneziの経歴に、どれほど大きな影響を与えるか知っているからです。”
大きく考えること
トッコにとって会社の成功がもたらす最も大きな恩恵の一つは、還元する機会が生じたという点である。彼女の会社は、彼女の会社を通じて借入を受けた会社が発生するたびに、Buy1Give1(B1G1)というプログラムと協力して、収益の一部を寄付している。
B1G1による主な成果には、支援が必要な子供たちに175日間住居を提供し、225日間教育を提供する事業、45平方メートルに及ぶ熱帯雨林の保護、孤児たちに提供した2000食の食事などがある。
彼女は“私の願いは可能な限り多くの人たちに直接・間接的に変化を提供することです”と言っている。“Loaneziが成長するればするほど、我々はさらに大きな影響力を持つことができるでしょう”
トッコはまた、自身の経験を利用して、女性事業家たちが同じようなレベルで成功できるよう手助けをしている。“私の金融産業関連ブログを通じて、すでに何人もの女性たちにメンタリングをしており、これによって持続的な情報の共有機能が成し遂げられると信じています”
このような精神で、彼女は訓練生制度により、学生たちが世界的に彼らの事業目標を達成し、重要な挑戦をする助けになろうとしている。
トッコは“私は、新しいメンタ―制度を提供された若者たちは自分の最終目標として定めた分野で、うまくやっていけると思います”と述べた。“私はこの会社が、国際的意識を持った未来の指導者たちの足がかりになることを望んでいます”